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ベルを鍛えよ |
文:ハインリッヒ タイン
ベン ファン ダイク(ロッテルダムフィルハーモニーバストロンボーンおよびコントラバストロンボーン奏者)とブレーメンに本拠を構えるトロンボーン製作マイスターである、私、ハインリッヒ タインは1999年2月に2週間、一緒にアメリカを旅行しました.
滞在中ダイク氏は音楽大学で6回のマスタークラスを開講し、さらにコンサートを行いました.この旅行はニューヨーク、リンカーン・センターのジュリアード音楽院でのコンサートに始まりました.コンサートではダイク氏はトミー・ペダーソンの「ブルー・トパーズ」、ニック・ウンド作曲:トロンボーンカルテットの伴奏による「バストロンボーンのためのセレナーデ」、ニューヨークフィルハーモニックのジョゼフ・アレッシとの共演で、同じくウンドの「テナートロンボーンとバストロンボーンのためのダンス」(世界初演)を演奏しました.
ニューヨークではテューバのワーレン・ディック氏を含むニューヨーク・フィルハーモニックのトロンボーン・テューバセクションに会いにも行きました.彼らはすぐに仲間になってしまい、この晩、一緒になって大ホールでワグナーの「ニーベルンゲンの指輪」からのパッセージを夜遅くまで演奏していました.
ニューヨークからちょっと寄り道をしてボストンに行き、一度会いたいと思っていたボストン交響楽団のバストロンボーン奏者であり、トロンボーンの権威であるダグラス・ヨー氏を訪ねました.私たちがボストンにいることができたのは、ベルナルト・ハイティンクがリヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」のプローベを行っている日で、短い間だったのですが大変心暖まる出会いとなりました.
次に訪れたのはオハイオ州のクリーブランドで、これは現在オベリン音楽大学で教鞭をとっているレイモンド・プレムルー氏と、クリーブランド交響楽団、クリーブランド州立大学の招きによるものでした.プレムルー氏は大変難しい手術を受け無事回復した直後で、食事を自由にとることもできなかったのですが、ワーナーホールでのコンサートでは「ブルー・トパーズ」と「セレナーデ」を指揮してくれたのでした.ダイク氏はクリーブランド交響楽団のスティーブ・ウィッザーと「ベンディダンス」を演奏しました.またタインのコントラバストロンボーン・ダイクモデルのお披露目として、クリーブランド交響楽団のトロンボーンセクションのメンバーと一緒に演奏しました.
私たちにとってとても驚きだったことは、プレムルー氏がすぐに自分の足で再び歩きはじめたことでした.プレムルー氏曰く、たくさんの人から新しい生きる力を与えられたんだ、とのこと.
今度は南へ向かいました.ここノーステキサス大学で旅の日程はちょうど折り返しを迎えましたが、ここでは最も興味深い出来事がありました.バストロンボーン、そしてコントラバストロンボーンのソリスティックな、表現力豊かな側面が聴衆の前に明らかになったのです.
デントンでのコンサートの合間に、ダイク氏はフェルン・カガリス氏とロイス・ルンプキン氏のために何時間かを費やしました.カガリス氏は国際トロンボーン協会(ITA)の会長で、今回のツアーを全体にわたってコーディネートしてくれたのでした.この長きにわたる友情はカガリス氏が何度かオランダを訪れたときに育まれたものだったものだったのです.
ヒューストン交響楽団のバストロンボーン奏者、デーブ・ウォータース氏の招きでダラスからヒューストンに行き、ライス大学を訪れました.ダイク氏のコントラバストロンボーンのお披露目では、ウォルタース氏は二人のマスタークラスの学生とともに自ら伴奏を買ってでてくれたのでした. ベン ファン ダイク氏のこのツアーは私たち マックス アンド ハインリッヒ タインが協賛しました.私たちはまた、彼の楽器も製作しています.
私、ハインリッヒ タインはといえば、行く先々の大学でルネッサンス時代から現在にわたるトロンボーンの歴史や、ドイツあるいはアメリカの製作方法の違いによる音色や鳴り方の違いを講義しました.講義においては平らな一枚の金属からどのようにハンマーを使ってベルが製作されていくのかについて、歴史的な方法と現在の方法を比較しながら説明したのですが、講義をしている間に自然にこんな言葉を思いついたのです.「ベルを鍛えよ」.それはどこでのことかって?もちろんテキサスですよ ...
ブレーメンへの帰り道でまたちょっと寄り道をしてジェイ・フリードマン氏とシカゴ交響楽団のブラスセクションの面々を訪ねました.ダイク氏は彼らと一緒にいくつかのオーケストラのパッセージや、またいくつかの美しいトロンボーンカルテットの曲の4番トロンボーンのパートを彼のコントラバストロンボーンで吹いてみたりしました. 残念でしたがこれで旅は終わりで、私たちは一番最後に最も刺激的な時間を過ごすことができたのでした.
今回の旅を通じてもちろんシカゴにおいても、「ドイツにはタインと言うすばらしい金管楽器がある」、そしてダイク氏が「とても凄いトロンボーン吹きだ」という印象をアメリカのプレーヤーたちに与えることができたと確信しています.